【膵臓の働き】
膵臓(すい臓)は胃のちょうど裏側にある細長い臓器で、長さは15〜20cm、重さは60〜90gです。膵臓の左右は十二指腸と脾臓に接しています。
膵臓の主な働きは2つあります。
ひとつは膵臓の外分泌線から分泌される膵液を十二指腸に排出し、胆汁とともに食べ物の消化・吸収を進めることです。
膵液には脂肪を分解するリパーゼ、タンパク質を分解するトリプシン、炭水化物を分解するアミラーゼなどの消化酵素や電解質、水分が含まれています。
これらの消化酵素により、食べ物は小腸で吸収可能な形に分解されます。
また、膵液は弱アルカリ性で、胃酸によって酸性になった食物を中和する働きもあります。
膵臓のもうひとつの働きは、内分泌腺からインスリンやグルカゴンなどのホルモンを血中に分泌する働きです。
インスリンは血糖値を下げ、グルカゴンは反対に血糖値を上げる作用があります。
【膵炎の症状・説明】
膵炎には急性膵炎と慢性膵炎があります。
急性膵炎は、膵液に含まれる消化酵素が自らを消化し(自己消化)、組織が壊死する病気です。
膵液に含まれるトリプシンなどの消化酵素は、通常膵臓の中では非活性化していますが、これが何らかのきっかけで活性化し自己消化してしまいます。
急性膵炎は50代以上の人に多く見られ、数日で治る軽い場合もありますが、膵液が周囲の組織に浸潤して壊死部が広がり、壊死部に腸内細菌が感染して敗血症を起こすなど、命にかかわるような重症のケースもあります。
慢性膵炎は、長年にわたって炎症を繰り返しているうちに、徐々に膵臓の正常な細胞が破壊されていく病気です。
破壊された細胞は再生されず、繊維のような組織が増え(繊維化)、膵臓全体が固くなり表面がデコボコしていきます。
また、繊維化に伴ってカルシウムが沈着して石灰化が起こり、膵管に膵石という結石ができることもあります。
慢性膵炎が進行すると膵臓の機能が衰え、やがてインスリンの分泌が不足して膵性糖尿病などを併発することもあります。
【急性膵炎の症状】
急性膵炎の主な症状は、急に起こるみぞおちあたりに激しい痛みです。
多くは飲酒や食事をした数時間後に発症します。
また、放散痛といって背中や腰のあたりが痛む場合もあります。
その他の症状には吐き気や発熱などがあります。
重症の場合は、激しい痛みが長く続き、呼吸困難やお腹の張り、尿が茶褐色になるなどの症状も見られ、血圧が下がり冷や汗が出る、意識を失うといったショック症状が出ることもあります。
【慢性膵炎の症状】
慢性膵炎の場合も、急性膵炎と同様にみぞおちあたりの痛みが起こります。
但し、急性膵炎ほどの激しい痛みではなく鈍痛の場合が多いです。
また、吐き気をもよおしたり、お腹がなんとなく重苦しい感じ、膨満感、食欲不振などの症状も見られます。
慢性膵炎が進行していくと、痛み自体は軽くなっていきますが、一方下痢や脂肪便、体重減少などの症状や、多尿、のどの渇きなどの症状が現れます。
これは膵臓の機能が低下して消化吸収や血糖調節に障害が起こるためです。