【睡眠障害の種類】
睡眠障害とは、精神的または器質的障害(疾病等)などの理由により、正常な睡眠ができない症状を言います。
睡眠障害には、眠りたいのに眠ることができない不眠症や、夜きちんと寝ているのに昼間も眠くなる過眠や睡眠時無呼吸症候群などがあります。
中でも日本人に多いのが不眠で、不眠症に悩む人は5人に1人いるとも言われています。
不眠と言っても、翌日に試験があったり、重要な仕事や試合があり、緊張のため眠れないことなどは誰にでもあることです。
一般的な不眠症は、不眠が長期間続き、そのため仕事や日常生活などに支障をきたす場合をいいます。
【不眠症の症状】
不眠症は、大体以下のような症状が見られます。
1.床に入って寝ようとしても寝付けない(入眠障害)
2.夜中に何度も起きてしまう(中途覚醒)
3.眠りが浅く熟睡できない、ある程度の時間寝ているはずなのに熟睡した気がしない(熟眠障害)
4.朝早く目が覚めてしまい再び寝ることができない(早期覚醒)
5.夜眠らなくても気にせず、気分が高揚して精力的に行動する(躁うつ病の躁状態などで見られる)
【不眠症の原因】
不眠症を原因から分類すると、精神生理性不眠や、精神疾患(こころの病気)や、身体疾患に伴う不眠症などがあります。
さらに、寝具が自分に合わない、部屋の環境(照度・気温・湿度など)、周囲の環境(騒音など)などによって不眠症になる場合もあります。
精神生理性不眠症は、慢性的な精神的緊張や不安などによって引き起こされます。
タイプとしては几帳面な人、神経質な人に起こりやすく、それは脳の働きに関係しています。
睡眠は、脳の大脳辺縁系(脳の中で本能をつかさどる部分)からの指令によって、眠りたいという欲求が起こります。
しかし、脳の大脳新皮質からの理性がそれを押さえ込んで、理性が勝つと眠れなくなります。
要するに、あれこれ考えて眠れなくなるのです。
例えば、「眠らなければ」と努力すればするほど、大脳新皮質の神経細胞が興奮し、覚醒が起きてしまい、目が冴えてかえって眠れなくなります。
このように、いつも大脳辺縁系(本能)の欲求を抑え込んでいると、自律神経をつかさどる脳幹部にまで影響を与え、自律神経が乱れて、ますます睡眠コントロールができなくなってしまいます。
精神疾患(こころの病気)も不眠症の原因になります。
不眠症を引き起こす心の病気には、神経症、うつ病、統合失調症、躁うつ病、アルコール依存症などがあります。
睡眠薬や抗うつ薬、抗不安薬などの向精神薬(心の病気の治療薬)を長期間服用している人が、薬をやめると不眠症になる場合も多いです。
身体疾患に伴う不眠症で代表的なものは、循環器系や呼吸器系の疾患やアレルギー疾患によるものです。
特に夜間に発作が起きる場合、発作が続くとそれが予期不安となって、不眠症になることが多いです。
その他、女性の場合、更年期障害に伴う不定愁訴の一つに不眠症があります。
また、メラトニンのところで説明した通り、高齢になるとメラトニンの分泌が減少するため、睡眠時間が短くなりがちになるのに加えて、身体機能や運動機能の衰えとともに脳機能も低下し、眠りが浅くなったり、早期覚醒が多くなります。
一般的に、高齢になると心身が衰えるため、不眠症にかかりやすくくなります。
【不眠症の治療】
以上のように不眠症の原因は様々です。
身体疾患や心の病気が原因となる場合は、それを治療するのが第一になります。
精神的な問題が原因で不眠症が改善されない場合は、カウンセリングなどの精神療法(心理療法)や、睡眠導入剤などによる薬物療法が必要になります。
不眠症がいつまでも解決しない方は、できれば睡眠外来を掲げている医院を訪ねてみることをおすすめします。