【尿失禁の検査】
1.採尿検査
尿の性質や成分とともに、血球や細菌の有無などを調べて、泌尿器系の疾患の可能性を調べます。
2.超音波画像診断
排尿後の膀胱内の残尿量や、前立腺、腎臓の異常などを調べます。
3.ウロダイナミクス検査法
ウロダイナミクス検査法は排尿に関連した特殊な検査で、いくつか種類があります。
@尿流量測定
排尿の出はじめから終わるまでの量の変化を測定・グラフ化し、その曲線の形で排尿障害の有無を調べます。
A膀胱内圧測定
直径5mmほどの内圧を測定する装置をつけた管を、尿道から膀胱内に挿入し、膀胱内に水か生理食塩水を注入後、尿のたまり具合から排尿までの膀胱の内圧を測定し、膀胱の収縮力を検査します。
B尿道内圧測定
尿道の内圧を調べ、尿道括約筋の強さを調べます。
Cリークポイント・プレッシャー測定
膀胱内水を満たして腹圧をかけ、尿道の状態や括約筋の働きを調べます。
D尿道括約筋・筋電図測定
尿のたまりはじめから排尿までの尿道括約筋の動きを筋電図で調べます。
Eプレッシャーフロー・スタディ
尿流量測定と膀胱内圧測定を同時におこなう検査です。
【腹圧性尿失禁の治療】
女性に多い腹圧性尿失禁の比較的初期の段階(第1段階〜第3段階)では、骨盤底筋体操が効果的です。
骨盤底筋体操は、骨盤底筋群や尿道括約筋を強化することを目的としたもので、膣ないし肛門を“締める”“緩める”運動をを繰り返すことで、下腹部から股間〜肛門一帯にひろがる筋肉を強くします。
骨盤底筋体操のやり方は簡単で、体の余分な力を抜いたリラックスした状態で、股間を身体の中に吸い上げるような感じで、膣と肛門を5秒くらい締めたら緩めます。
この運動を数分〜10分くらい繰り返します。
骨盤底筋体操は、椅子に座った状態、ひじ・ひざをついた四つんばいの状態、立ったまま机などに両手をついた(体重を両腕にのせる)状態、仰向けの状態など、体位を変えながら繰り返すと効果的です。
骨盤底筋体操を続けていると、早い人で1ヵ月くらい、遅い人でも3ヵ月くらいで効果が現れてきます。
第1段階・第2段階であれば、これだけで8〜9割の人の症状が改善します。
なお、この骨盤底筋体操は、現在腹圧性尿失禁ではなくても、予防法として生活習慣に取り入れることを女性にはおすすめします。
腹圧性尿失禁の中でも症状が重い場合には、薬物療法や外科的治療を施すことがあります。
外科的治療には、膀胱頸部つりあげ術、スリング法(TVT手術)、コラーゲン注入法(コラーゲンを緩んだ尿道括約筋に注入し、狭めて強くする方法)などがあります。
【切迫性尿失禁の治療】
切迫性尿失禁は、尿意を感じなくても規則的な間隔でトイレに行き、排尿することで、尿失禁を予防することができます。
切迫性尿失禁の治療法としては、薬物療法が一般的です。
切迫性尿失禁は、意志とは関係なく膀胱が収縮することによって起こるので、膀胱を弛緩させる薬(オキシブチニンやトルテロジン)が使われます。
また、電気刺激療法を施すことがあります。
これは、骨盤の表面の膀胱の近くに電極をつけて、電圧と周波数、時間を調整しながら、一定のパルス波を伝える方法で、1回につき20〜30分間おこないます。
【溢流性尿失禁の治療】
溢流性尿失禁を治療するには、排尿障害の原因となっている疾患(前立腺肥大症、前立腺がん、尿道狭窄など)を手術などによりとりのぞく必要があります。