潰瘍性大腸炎とは、何らかの原因により、大腸の粘膜に炎症が起こり、びらん(ただれ)や潰瘍ができる病気です。
潰瘍性大腸炎に炎症を起こす場所により、3つのタイプがあります。
●直腸炎型
直腸のみに炎症が起きます。潰瘍性大腸炎全体の約2割を占めます。
●左側大腸炎型
横行結腸の左半分までに炎症が及んだもの。潰瘍性大腸炎全体の約4割を占めます。
●全大腸炎型
炎症が大腸全体に及んだもの。潰瘍性大腸炎の約3割を占めます。
炎症の多くは肛門に近い直腸から始まり、その後、S状結腸⇒下行結腸⇒横行結腸⇒上行結腸というふうに、その奥の結腸に向かって逆行していくと考えられています。
また、炎症にびまん性(症状が全体に広がること)が見られるのが特徴です。
大腸は、内側から粘膜層、粘膜下層、筋層、漿膜から成り立っていますが、潰瘍性大腸炎は、このうちの粘膜層、粘膜下層を中心に炎症が生じ、重篤になると潰瘍が筋層に達することもあります。
潰瘍性大腸炎の症状には、下痢や粘血便(血液・粘液・膿の混じった軟便)などの局所症状と、発熱や吐気・嘔吐、頻脈、貧血といった全身症状があります。
病状はおさまったり(緩解期)、悪化したり(活動期)を繰り返すことが多く、いったんよくなっても再発しやすいという特徴があります。
発病後は、10年、20年、30年と長い期間にわたって、再発を繰り返すこともあります。
さらに、さまざまな合併症もみられます。
潰瘍性大腸炎の合併症には、腸管に起こる腸管合併症と腸管以外の部分に起こる腸管外合併症があります。
腸管合併症には大腸からの大出血、穿孔、中毒性巨大結腸症などがあり、病状がきわめて重篤な場合に起こりますが、めったにみられません。
腸管外合併症には結節性紅斑、壊疽性膿皮症などの皮膚症状、結膜炎や虹彩炎などの眼症状、関節痛、関節炎などがあります。
ほかにも、口内炎、膵炎、肝機能障害、肺機能障害などが起こることがあります。
潰瘍性大腸炎は、以前はとてもめずらしい病気で患者の数もごくわずかでしたが、近年患者数は増え続けています。
患者に男女別の差はなく、ほぼ1:1の割合です。
発症年齢はあらゆる年代に分布していますが、20代をピークに10代〜30代の若年齢層に多いのが特徴です。
潰瘍性大腸炎は、はっきりした原因が不明なため根本治療が確立されていませんが、近年の治療法の進歩により、多くの方が通常の日常生活を送れるようになっています。
潰瘍性大腸炎は、1973年より現在の厚生労働省により特定疾患治療研究対象疾患(特定疾患=難病)のひとつに指定されています。
潰瘍性大腸炎と診断された場合、保健所で決められた手続きをとれば特定疾患医療給付制度が適応され、医療費の援助を受けることができます。