胃は食べ物を食べると胃液を分泌して、食べ物と混ぜ合わせてドロドロにして、消化吸収しやすくする働きがあります。
胃液には強い酸(塩酸)と消化酵素(ペプシン)が含まれており、これは胃自身の組織を侵食できるほどの強い消化作用があります。
しかし、通常胃の粘膜は通常アルカリ性の粘液で覆われていて、胃酸と中和させることで胃液から自らを守っています。
また、粘膜下層には血管が張り巡らされており、粘膜に栄養や酸素を補給して粘膜の働きや修復を助けています。これが胃粘膜の防御システムです。
十二指腸には膵臓(すいぞう)や胆のうから膵液や胆汁といったアルカリ性の消化液が排出されます。
膵液には、リパーゼ、トリプシン、アミラーゼなどの消化酵素が含まれます。
アルカリ性の膵液や胆汁は、胃から送られてきた胃液と混じった消化物(強い酸性)を中和する役割もあります。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、自身の防御システムの均衡が崩れて(粘膜を攻撃する力が強くなり)、胃液によって粘膜が侵されることによって起こります。
防御システムの均衡が崩れる原因には、以下のようなものがあります。
過労(睡眠不足) 不規則な食生活 体質(遺伝) ストレス 胃炎 香辛料など刺激の強い食べ物 熱過ぎたり冷たすぎる飲食物 喫煙 過度の飲酒 薬物(解熱・消炎鎮痛剤、降圧剤、副腎皮質ステロイド剤など) ヘリコバクターピロリ菌など
よく、強いストレスを受けると「胃に穴が開く」などと言うように、胃・十二指腸潰瘍は精神的ストレスと関係が深いことがわかっています。
胃液の分泌や粘膜の防御といった胃や十二指腸の働きは、自律神経やホルモンによって調節されていますが、強いストレスを受けると、この自律神経やホルモン系が乱れて、防御機構に影響を与えるからと考えられています。
ですから、ストレスを感じやすい性格(几帳面、勤勉、気配りできる、我慢強いなど)の人は、胃・十二指腸潰瘍にかかりやすいと言われます。