【骨の役割】
人間の骨には、主に3つの役割があります。
1)体を支え臓器を守る
骨は体を支える支柱としての役割のほか、脳や心臓や肺などの重要な臓器を外部の衝撃から守る保護器官としての働きもあります。
2)カルシウムを蓄える
カルシウムは、人体のあらゆる細胞機能を調節する物質で、生命維持に欠かせないミネラル成分です。
体重が60kgの人は約1kgのカルシウムを持っていて、その99%が骨と歯に含まれており、残りの1%は血液中と細胞内にあり、その量は常に一定に保たれますが、不足時には骨に含まれたカルシウムが、血中や体液中に溶け出して補います。
3)骨髄で血球をつくる
骨の中心部の腔所には骨髄が詰まっており、そこでは赤血球、白血球、血小板などの血球(血液中の細胞成分)がつくられています。
【骨の形成】
骨は強さとしなやかさを保つために、絶えず破壊と再生を繰り返し、生まれ変わっています。これを「骨のリモデリング」と言います。
リモデリングをおこなっているのは、破骨細胞と骨芽細胞で、破骨細胞が古い骨を溶かして破壊し(骨吸収)、骨芽細胞が修復して新たな丈夫な骨に再生します(骨形成)。
骨吸収には約6週間、骨形成には約4ヶ月かかると言われており、一生の間この骨の吸収と形成のリモデリングが絶えず繰り返されることにより、丈夫な骨が保たれています。
【骨粗鬆症の症状】
骨粗鬆症は、骨の量(骨量)が減少し、骨がもろくなり骨折を起こしやすくなった状態のことで、骨の老化現象です。
60歳以上の女性、80歳以上の男性の約半数が骨粗鬆症だと考えられています。
骨は、外側を取り巻く皮質骨と、内側の海綿骨で構成されています。
皮質骨は緻密骨ともいわれ、硬くて丈夫な部分です。
海綿骨は小さな骨(骨梁)が縦横に組み合わされ、これが柱と梁のような役割をすることで骨の強度が保たれています。
海綿骨は、立ったり体をひねったりしたときに、外部から加わる力をほどよく散らして骨を守るという機能があります。
健康な骨であれば、海綿骨の骨梁が密に連結し、ぎっしり詰まって見えます。
しかし、骨粗鬆症になると、骨梁が徐々に消失し連結が絶たれて構造が粗くなり、さらに進行すると、海綿骨はスカスカな状態になって骨全体が弱くなり、ちょっとした衝撃や力で骨折しやすくなります。
骨粗鬆症が起こりやすい部位は、海綿骨の割合が多い脊椎(背骨)で、その他にも大腿骨近位部(脚の付け根の骨)、上腕骨近位部(腕の付け根の骨)、橈骨遠位部(手首の骨)なども骨粗鬆症が起こりやすい部分です。
骨粗鬆症の症状としては、背骨がつぶれて(圧迫骨折)背が低くなる、背中が曲がる(骨粗鬆症の場合、腰の上あるいは背中の上部が後方に丸く曲がってくるのが特徴)、背中や腰が痛む、骨折(転んだり、重いものを持ったり、しりもちをついたり、椅子から立ち上がったときなど、ちょっとしたことで骨折することも)などがあります。
骨粗鬆症になっても、必ずしも症状が現れるとは限りません。症状がなくても、骨量の減少は進行していて、ある日突然、激しい背中や腰の痛みや骨折といった形で現れることがあります。
骨粗鬆症により骨折を起こすと、それがきっかけで寝たきりになるケースが多く、日本では寝たきりになる原因の3番目が骨粗鬆症による骨折です。